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トゥラリカ「黄金の靴」発売と、「デザイン」について

2016年4/8、トゥラリカの4年ぶり(!)の新作アルバム「黄金の靴」が発売されました。
ほぼ1年の活動休止となんやかんやで1年半に渡る音源パッケージ製作もあってこのスパンとなってしまいましたが、結果今に出せてよかったと心底思っています。

今、バンドは個人的に凄くいい状況で典型的「雨降って地固まる」状態にあります。活動休止中に僕が一人で動くには何をしようかとリサーチしまくっていた事柄がバンドの新しい方向性へとつながりつつあります。そしてそれを理解してかなんとなくかはともかく、大西さんも泉さんも付いてきてくれるようです。
トゥラリカは中学の頃から僕が思い描いてきた理想のバンド像であり、ある意味それを超えてくれたものです。その成果としての「黄金の靴」は、やっと作品単位で「こういうのできました」ときちんと言えるものになりました。と同時に、凄くいいものではあれ、もう自分の今のモードと完全にリンクしているわけではないから、いい意味でスッと置いていけるものでもあります。あくまで26歳までの総括にすぎないなー、と。

なので、酒の入ったテンションに任せて自己満足的に日記的にタネ明かし的に曲のことを断続的に書いていこうと思います。そういうの嫌って人は見ないように!




「デザイン」について

「デザイン」は、トゥラ3人の中で暫定的に1番気に入られている曲です。そしてこのアルバムの中で最も新しい曲でもあります。個人的にも、今の所普通のバンドフォーマットでこの曲よりよくできた曲が出来る気がしません。この程度で!?という意見もありそうですが……。
もともとスローな曲が我々にはあまりなく、隙間はあっても内在するテンポは結構早かったりするのでちょっと遅めの曲をやりたいなーと思って着想した覚えがあります。
前提として、「苔の祭典」に収録されている「山猫」という曲で、
・従来の初期sakanaインスパイアな点描+ハイトーンな唄い方にアーサーラッセルライクな朗々さを混ぜると、ポップな歌モノっぽい曲でもしっくりくるメロディを作れる(というか、アーサーラッセルの「Another Thought」でこういう簡素さ、朴訥さ、ポップさがあるのかと驚愕したから趣味そのものが引っ張られた。)
・ドラムをなくして歌のラインに寄ったベースラインを持ってこれば、ビートに寄ったものよりもクラシックとか民謡っぽいいつの時代のものか判然としない感じが出る。当時古楽にはまっていたのでビートに寄りたくなかった。

の2点を確認できたことと、

・「デザイン」の前にできた曲、「体感できない平坦さ」「黄金の靴」「ホバリング」のあたりからアフリカっぽくないポリリズムをやりたいと思っていて、それは自分の中で鉱物っぽいものがいくつも宙に浮いている、あるいはセザンヌのサント・ヴィクトワール山や静物画、あるいはレーモンルーセルの小説のようなetc、のイメージだった。3拍子基調でなく、8ビート(っぽい質感が)基調のカクカクとした、スクエアな。(なので前述の3曲は自分の中だけで8ビート3部作と呼んでいる。)ちょうどその頃コンロン・ナンカロウという僕のリズム史を塗り替える運命的な出会いを果たしたのもデカかった。te_riの村上さんに最大級のリスペクト。それらを通過した上で作る、ビートに寄らない歌モノ。

という考えがありました。

実際のフレージングやアレンジには以前から聴いていたジャズやクラシックへの憧れが強く出ています。曲を作っていたまさにその当時はマイルスの「ネフェルティティ」やダリウス・ミヨー、チャーリー・パーカーにハマっていました。イントロ/アウトロのピアノフレーズは「ネフェルティティ」のように口ずさめるけどどこか浮遊感のある、かといってあからさまに不穏でない、ウェインショーターのような(僕は上昇系が癖なので)下降系のフレーズを作ろうと思ってできたものです。あとはピアノ始まりの曲がなかったし、アルバムをつくるならピアノのイントロから入りたかったということもあり。

ピアノが入る、スローな曲、となるとゴスペルのような勇壮さとかシナトラ「夜のストレンジャー」とかオールディーズの曲みたいなエレガントさがあるとそれまでのトゥラっぽさと違って面白いなーと、キャッチーで大きいメロこないかなと思ってたらサビのメロディにピアノをガーンと鳴らす感じを思いつきました。こう考えると別にゴスペル感もオールディーズ感もない!その時はまだ泉さんのあの天才的なコードではなくちゃんと決まっていませんでした。で、このサビのメロディはブラッドサースティ・ブッチャーズのある曲に図らずも似ています。意図したわけではないもののささやかな吉村さん追悼曲になったかも。

サビの後に歌い出しが思いついた、っつってもベースに軽くディレイをかけたりメロディとかも完全アーサーラッセル風味。でも「なければ〜」の後から入ってくるベースリフのまとめのフレーズはチャーリーパーカーのバップフレーズをまったくジャズっぽくなくのべっとしたリズムに解体したもので、結構こういう歌にこういうベースが入ってくるのは妙なバランスで面白い気がする。ミヨーの曲を聴いてたら突然ブルースっぽい旋律が入ってきて「あ〜ブルースっぽさってこう使えるのか〜」と感動したのでこういうベースを入れてみました。この曲はジャズができない僕なりのビバップでもあります。

間奏のピアノソロは最初単音だったんですけど、オクターブで弾いたほうが厚みも出るし、何よりイスラム教の寺院っぽくていいと判断したのでオクターブにしました。このクロマチックの入れ方とかも凄くビバップを意識して、できないなりにエッセンスを入れられないかな〜と考えた結果です。いいメロディができた気がします。歌に入る寸前のキーから(多分)半音ずらした5度飛びのフレーズは何気に入魂のアウトフレーズです。

「沖の先〜」のあとのギターはミヨーの管弦楽曲に出てきたパッセージを無理やりギターに翻訳してみたら結構面白かったのでここでアクセント的に使いました。このギターの直後に出てくる、もともとあったピアノのフレーズに重なって流れができた。このピアノのフレーズはサビに使われる予定だったのですがそれはさすがに奇をてらいすぎでしたね〜〜

そして最後のサビで出てくるピアノの一連の「ガーン」は僕も大西さんも本当に奇跡のコードラインだと思ってるんですが泉さんはまったくそう思っていないようで「そんなにええか?」と首をかしげていました。どうしてもサビにはまるいいコードを出せずにスタジオ入っても膠着状態、どうしようと数週間悩んでいた時、とりあえず音を出してみようと何も決めずにただひたすら演奏を録音したことがありました。その録音で2秒だけいいところがあって、それが泉さんのコードラインの原型でした。これは、と思ってサビに被せようと考えたらあまりにもツボに入りすぎ、泉さんに「泉さん、これまた弾いて!」と言っても泉さんは覚えてないから弾けないというので僕と大西さんで必死に耳コピ。なんとか現状の形まで持ってきましたが原型はもっとよかったのです。音は間違っていないはず。なぜかわからんけどとにかく原型はすごかった!なんにせよそのおかげでこのサビのアレンジが出来て本当に安心しました。
サビが出来上がった時、歌との重なりがめちゃめちゃ聴いてた「ニーダロス大聖堂の合唱曲集」に入ってるナジ・ハキムのオルガン即興みたいなテイストになってて自分で興奮しました。バンドやってて屈指の興奮やったかも。実際、「黄金の靴」に入ってる曲は我々のそういう興奮まみれですよ。


最後に。この曲の歌詞はかなり気に入ってます。
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